ペコはアパートの隣の公園にいました。最初からすごく人懐っこい猫で近所のおばあちゃんに聞くと、そこの公園は結構前にTNR活動を終わっていて多分ペコは捨てられたのかなと勝手に思っていました。
自分はいけないとわかりつつもかわいそうだからと餌をあげていました。避妊手術もしないで餌をあげるだけだと子猫も増えるし、糞尿被害もあるので根本的に猫を幸せに出来ないそうです。
そこで色々なノラネコを保護してくれる団体にメールや電話をしまくっていたのですが、子猫なわけでも怪我をしているわけでも無い緊急性のないペコは長い期間、保護してもらえる順番を待つしかないようで、その間も、家に帰ると柵をくぐり抜けてペコはニャーニャー友達みたいにスリスリしてきます。実際東京に出てきて友達がほとんどゼロの自分にはペコは親友くらいの立ち位置になっていました(実はエサ欲しさにスリスリしてきてるだけだというのが保護してもらった後の態度で露骨にわかり傷つくのですが、それはそれで猫ってたくましい自立心のある素敵な生き物なんだというのがわかった瞬間でもありました)。
そしたらCATS&DOGS CAFEの吉田さんが取り合ってくれました。1回目の電話はメチャクチャ話を聞いてもらえず、ダメだったか、、貧乏人の自分が野良猫のことを気にするのは生意気なことなのか、、でもペコはそんなこと関係なく雨風を受けててかわいそうだな、どうしようかなと思っていたら折り返し電話があり、
「メールは見たわ、ウソついてる感じもないわね、医療費いくら出せるの?わかった保護してあげる!」
と吉田さんがカッコよく言ってくださいました。
その時は何があったのだろうさっきと全然対応が違うじゃないかー!!と思いましたが、あとから聞くと毎日のように保護してくれという電話がありそのほとんどが、「あんた達好きで猫保護してるんでしょ?捕獲も病院もあんた達でやってよね!!」みたいなボランティアでしていることがイマイチピンときてない電話ばかりだそうでそれは大変だとわかりました。でも一度ノラネコをかわいそうだと思ってしまった人間からするとこんなにお金のかかるノラネコを家猫までにする過程を手伝ってくださるところは本当にありがたく、尊く、自分は本当に助けてもらいました。
その後、捕獲は自分ですんなり行きました。一度はスーパーの袋で捕獲しようとしてみて大失敗しましたが。2度目に洗濯ネットが便利だとネットに書いてあって捕まえました。後から聞いたら捕獲は本当に難しいらしく、ほとんど洗濯ネットのおかげなのですがメチャクチャ褒められました。
捕獲後がとにかく大変で、猫エイズや白血病なるものがあるらしく、それが検査で判明した時の医療費や、里親さんの見つかりにくさなどは本当に大変らしくペコは運良くそういうのは無かったのですが、何かあったら佐賀にいる両親に頼らなければいけないという事態でした。心の中ではバイト頑張って分割で払えるかな?と思っていたのですが後から白血病の猫を見たのですが信じられないくらい医療費がかかったり里親が見つからなかったりと壮絶でした。本当にあの時はナメていました。
その後、ペコの医療費を集めるためにお笑いライブをしてお金を集めました。
これも
「猫カフェの常連さんからお金集めるなんて甘えた事せずにバイト一年間多めにしてそんくらいのお金自分で集めろよ!」
「一人で二時間持たせられないからって他の芸人の手を借りるなよ!」
と自分1人では何も成立していない考えの足りない未熟な行いだったのですが、あの時集まっていただいて寄付までしてくださったお客様、芸人のラムズ、田中さん、梶原さん、本当にありがとうございました。
その日のビデオを撮ってくださっていた方の
「吉田くんのためじゃなくペコちゃんの為にやってるだけだからね!」
という言葉に相当助けられたりもしました。
その後、里親さんも見つかりペコというふざけた名前ではなくメリーちゃんというちゃんとした名前もつけてもらい、そこの御家族さんにあの時お客さんからもらったぶんの笑いをお返しするという素敵なことをやっています。
今、メリーは里親さんをはじめノラネコを心配に思う周りの人のおかげで今、雨風、飢えの心配のないところにいます。ありがとうございました。
CATS&DOGS CAFE 動物福祉協会 コラム(保護主の思いをお伝えしています)